解決事例cases

交差点の事故で、90:0の訴外示談を成立させた事例

交通事故

状況

依頼者は、道幅の広い道路を車で走行中、交差点に差し掛かったところで、進行方向右側の狭い道路から左折してきた車と衝突しました。
通常、このような事故は、優先側にも2割程度の過失が認められます。
しかし、依頼者の走行道路は、交差点の先で一時停止する必要があり、依頼者はかなり減速していたところ、相手車が車の右側面に衝突してきたものでした。しかも、本来、直進車と右側から左折してくる車は、進路が交錯しないため、衝突するはずがないのに、相手車が道路右側に膨らむ形で左折したため、衝突したというものでした。
当事務所の受任前は、相手側の保険会社は、基本割合どおり、当方に2割の過失を求めてきました。

当事務所がしたこと

当事務所は、受任後、早速保険会社と過失割合の交渉を行いました。事故状況に照らすと、当方が事故を予見し回避することは困難で、100:0という評価もあり得ることを指摘しました。もっとも、早期解決や示談の成立可能性を考慮して、90:0(当方の損害の請求は9割にとどめるが、相手車の修理代を負担しない。)による解決案を提示しました。

得られた結果

若干のやり取りはありましたが、90:0による訴外示談が成立しました。これにより、依頼者は、相手車の修理代の負担がなくなり、対物保険を使うことなく、等級も下がりませんでした。

コメント

相手の過失の大きい事故でも、当方に少しの過失があれば、損害の全額の請求をできないばかりか、相手車の修理代の一部を負担する必要が出てきます。相手車の修理代が高額になると、少しの過失のために対物保険を使わざるを得なくなり、等級が下がってしまいます。
100:0の主張を譲歩する代わりに、相手に当方過失分の請求を放棄してもらうことで、早期解決ができた上、保険の等級という示談内容に現れない利益を享受することができました。