解決事例cases

古い車が全損になり、保険会社提示の2倍以上の賠償を得た事例

交通事故

状況

依頼者は、交通事故により、車の廃車を余儀なくされました。

車の年式は相当古く、走行距離も20万kmを超えていたため、賠償額が低額に抑えられることが懸念されました。
実際、保険会社からは、車の時価額として、新車価格の1割である15万円程度が提示されました。

当事務所がしたこと

依頼者の代理人として受任し、保険会社と示談交渉をしました。
通常、全損事案では、インターネットの中古車サイトで同年式・同車種の市場価格を調査することで、時価額の上乗せが期待できます。しかし、走行距離20万kmを超える車は、市場でも中々出回っておらず、保険会社もその点を突いてきました。
しかし、当事務所は、10万kmを超える過走行車に絞っても、平均20万円以上で販売されていることを指摘しました。
さらに、全損時の賠償額は、時価額+買替諸費用であるところ、買替車両の見積書を基に、納車費用や法定手続費用など、20万円近い諸費用の上乗せを主張しました。

得られた結果

合計40万円以上の損害(過失相殺前)が認められ、それを前提にした和解が成立しました。

コメント

全損事案は、愛車をぐしゃぐしゃにされた挙句、修理費全額も出ないという点で、被害者の不満が強くなる事案類型です。
経済的全損という考え方自体は、法的な理論なので仕方ないところはあります。
しかし、保険会社が提示する時価額が適切なものなのか、市場価格はもっと高いのではないかと検討する余地があります。
さらに、時価額に加算すべき買替諸費用は、被害者側から指摘しなければ、保険会社は上乗せしてきません。
地道な調査を行い、賠償額を底上げして適正にするという、被害者の味方の弁護士として当然の作業をした事案です。