弁護士コラム

UDデジタル教科書体

当事務所は、これまで、公用文等に倣って、明朝体で文書を作成してきた。もっとも、今年の9月下旬頃を境に、裁判所に提出する書面を含め、ほとんどの文書をUDデジタル教科書体NP-Rで作成することにした。

UDデジタル教科書体は、2016年にタイプバンク(現:株式会社モリサワ)が設計・発売したフォントである。ホームページによると、「デジタル教科書をはじめとしたICT教育の現場に効果的なユニバーサルデザイン書体です。学習指導要領に準拠し、書き方の方向や点・ハライの形状を保ちながらも、太さの強弱を抑え、ロービジョン(弱視)、ディスレクシア(読み書き障害)に配慮したデザインで、リーダビリティについてのエビデンス(科学的根拠)も取得しました。また、2016年度より施行された障害者差別解消法の理念にも基づき設計されています。」(TypeBank フォントファミリー UDデジタル教科書体)のだという。

明朝体と比較して、明らかに判読性が高いように感じる。さすがユニバーサルデザインだと思った。
弁護士は、書面を書くこと、読むことが業務の中核である。10ページを超える書面を作成し、読み返すことも多い。パソコンに向かう時間も長く、目が疲れがちなところ、フォントを変更したのは、いい効果があったように感じる。
私が取り扱うスクールロイヤーなど教育関係の仕事にも合うだろう。
当事務所のホームページもUDフォントにできたらいいのにと思う。

参考までに、UDデジタル教科書体と明朝体でそれぞれ起案した準抗告申立書(内容は適当)の1ページ目を並べてみた。これだけで有意な差が認識できるかはわからないが。

準抗告申立書(UD)
準抗告申立書(明朝)