弁護士コラム

続々と交通事故訴訟を提起

当事務所は、昨年から交通事故受任件数が急増し、基幹分野になっている。
昨年受任件数は26件で、今年は既に11件。1人事務所で他分野の案件もあることを考慮すると、適度な件数といえる(もう少し受任できる余力はあるが)。

案件の増加と共に、訴訟提起の件数も増加している。
先月は2件、今月は3件(予定)の訴訟を提起している。

訴外の示談で終わらず訴訟提起をする理由は、ほとんどが、①受傷の有無・症状固定時期の争い、②訴訟基準差額説による自己過失分の填補である。②については生産性がないことも多いと思いつつも、保険実務と判例が異なる以上致し方ない。

交通事故訴訟は争点が類型化されており、被告からどのような反論が来るかは予測がつくので、訴訟提起段階で入念な準備をしておくのが有益である。
行き当たりばったりの主張・反論が往復するのを防ぐことで、審理期間も短くなる。

人身損害が含まれる場合は、原則、通院先の病院からカルテを取り付ける。
原告の主張の着眼点を設定するために有効であるし、カルテの内容に問題があれば、訴訟提起の方針の再考も必要なためである。

もっとも、②の人傷先行型などの訴訟提起することにみるべきデメリットがないような場合や、事故態様や治療経過に関する診断書の記載をみてこれは大丈夫だろうと考えた場合などは、カルテを取り付けないこともある。
被告から文書送付嘱託申立てがされた場合、通院先の病院に二度手間をかけさせることになるからである。